皆さん、「ドラえもん」ってご存知ですか?
そう、あのドラえもんです。
ある日、7歳の長男が「ドラえもんの映画を見に行きたい」と言ってきたのです。
しかし、家族で行くとなると、さすがに2歳の次男に映画などの長時間をジッとしているのは、まだまだ無理そうです。
そこで二人で観に行くことにしました。
ドラえもんの映画を映画を観に行くなんて、1993年の「のび太とブリキのラビリンス」以来です。
当時の映画はドラえもん以外にも藤子不二雄作品が2〜3本立てでした。
ドラえもんに限らず、当時のアニメ映画は2〜3本立てが普通でしたね。
とにかく長くて長くて、オシッコを我慢していた思い出しかありません。
そんなわけで、30年ぶりに「ドラえもん」の映画を観に来ました。
ドラえもん のび太と空の理想郷
「ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」は2023年3月に公開された映画です。
簡単なあらすじ(ネタバレ注意)を言うと、
出来杉君に「ユートピア」の話を聞いたのび太とは、「ユートピア」へ憧れます。
そんなある日、空にユートピアらしき物を見かけて、ドラえもんと探しに行きます。
そして本当に「ユートピア」が見つかります。
ここは「パラダピア」と言い、暴力や争い事がなく、誰でもパーフェクトになれる場所だと説明されます。
衣食住に困らず、平和な空間に、のび太達は徐々にパラダピアの生活に溶け込んでいきます。
平和な、日々を過ごしていましたが、ある時パラダピアに侵入者が現れます。
この侵入者をのび太達は悪者だと思っていましたが、実はパラダピアの住民を助けにきたのです。
のび太達はここで初めて自分達が洗脳されていた事に気付きます。
結果的に黒幕が現れ、パラダピアは崩壊していくわけですが、この内容が今の日本が抱えている問題と重なりました。
パラダピアが宗教問題と重なった
パラダピアは空の楽園、争いがなく、誰もが平等。
朝は5時に起き、皆同じ服を着て、規則正しい生活をしていました。
ジャイアンやスネ夫の言葉遣いも、気持ち悪いくらい綺麗になります。
規律を乱すことは許されません。
ただただ、決められた毎日を過ごしていきます。
もはや個人の個性がなく、意思もないのです。
これはまさに今問題になっている新興宗教の教えとダブりましたね。
ストーリーの見せ方として興味深いのは、
前半は、パラダピアの世界が正しいかのように描かれていました。
話が大きく変わるきっかけは、侵入者が現れた場面でした。
最初は、うちの子供も侵入者は悪者と信じていました。
わたしはすぐに気が付いて「これ実は、パラダピアの方が悪者じゃないの?」と言いましたが、純粋な子供は、信じようとしませんでした。
パラダピアが宗教団体と重なります。
両親がカルト信者の場合、その世界以外は悪と教え込まれます。
子供は宗教の教えが正しいと洗脳されるわけです。
結局、友達が洗脳されてしまったのび太ですが、
「怠け者(のび太)、強情っぱり(しずかちゃん)、意地悪(スネ夫)、乱暴者(ジャイアン)、色んな人がいるから面白いんだ!!」
と、言い放ちます。
そうなんです。のび太の言う通りです。
この一声で、みんなの洗脳がとけ、ハッピーエンドとなります。
今回の作品は、ただ悪者と戦うのではなく、
映画を通して、「人に決められるのではなく、自分は自分で良い」と子供達に訴えかけているような感じがしました。
とてもタイムリーです。
こんなにも意味深なドラえもんに驚いたし、大人でも観れると言うお話でした。