化学の時間ですよ
もうすでに元素記号に飽きているかもしれませんね
しかし、記号に関しては今回が最後です
お付き合い宜しくお願いします
今回は特殊高圧ガスです
特殊ガスは可燃性ガスかつ毒性ガスで爆発範囲が広く極めて高い属性を持つものが多いそうです
万が一、ガスが発火して火災になってる時に消火をすると、かえって危険が大きくなることもあります
この特殊ガスは半導体制作には欠かせないものであります
半導体は携帯電話はもちろん、電化製品、自動車、インターネットなど、社会のインフラには不可欠と言えるものでしょう
そんな特殊ガスにはどんな種類があるのだろうか?
SiH4=モノシラン
モノシランは中性・酸性の水とは、ほとんど反応しないが、アルカリ性の水とは、激しく分解反応を起こす
空気、酸素、NO、N2O、Cl2、F2、Br2、金属ハロゲン化物などと混触すると危険な反応を起こす
何よりも強いのが常温の空気中で自然発火してしまう
逆に空気中に出ると燃焼してしまうため、毒性は分かっていない
Si2H4=ジシラン
先ほどのモノシランと同じような性質を持っていて、ジシランも常温の空気中で自然発火してしまう
使用用途は半導体、太陽電池、感光体ドラム、セラミックスの製造用原料
昔、 X ファイルなどで人体自然発火というのをやっていたが、実はこれらのガスが原因だったりして?
AsH3=アルシン
アルシンはブラジル出身で鹿島アントラーズのサッカー選手
ではありません
(それはアルシンド)
アルシンは無色でニンニク臭がする
空気中で燃焼するとピンク色の炎が出る
今回の特殊ガスの中でも特に毒性が強く少しで短時間の吸入でも生命の危険がある
PH3=ホスフィン
ホスフィンは無色で腐魚臭がする
常温の空気中で自然発火することがある
恐ろしいのは眼、喉、気管支に刺激がなく、吸っても気づかないことが多いらしい
そして毒性が強く蓄積性もあり中枢神経や内臓が冒される
使用用途は半導体の材料としてはもちろん、殺虫剤にも使われているらしいです
B2H6=ジボラン
ジボランは無色で吐き気を催すような甘い匂い
常温より少し高い温度で自然発火する
水で完全に加水分解される
毒性は目や皮膚は発赤、疱疹、炎症をお越し、皮膚から吸収される
GeH4=モノゲルマン
モノゲルマンは無色で吐き気を催す匂い
怖いのは熱的に不安定で常温以下では分解爆発する可能性が大きい
アルシン中毒に症状は似ているが程度はアルシンよりも弱いと言われる
漏れていても自然発火しないことが多く、かなり拡散して発火すると大きな爆発をおこす
H2Se=セレン化水素
セレン化水素は無色でワサビ、ニンニク臭がする
(分かりにくい)
常温では自然発火はない
空気中で青白い炎を上げて燃える
毒性が強く呼吸がニンニク臭くなる、重症では肺水腫、気管支肺炎
最後に
特殊ガスは半導体の原料として使われてることが多いです
皆さん半導体といえば、こんな出来事を思い出しませんか
2019年に行った、韓国に対する輸出管理の強化です
このときに、対象となったのが、
「レジスト」「高純度フッ化水素」「フッ化ポリイミド」
全て半導体製造に必要なものですが、この内の一つ高純度フッ化水素が特殊ガスなのです
HF=フッ化水素
フッ化水素は常温では無色の気体
ウラン濃縮や毒ガスサリンの製造にも使われる
高純度のフッ化水素は世界のシェア70%日本企業が占めている
通常、高純度と言うと99.999%(5N)や99.9999(6N)
(Nはnineの事で、6Nだと6個、9がある意味)
しかし、日本の企業のステラケミファ、森田化学工業、ダイキンは、驚きの12N、
99.9999999999%の超超高純度を製造している
世界でも超超高純度を製造できるのは、この3社だけなのです
最先端の半導体は、この超超高純度がないと製造ができない
このため技術がなく、自国で製造できない韓国は猛反発しましたね
しかし、そんな危険な特殊ガスを今までポイポイ輸出してたと思うと恐ろしくないですか?