ブログ名、捨てました

興味ある事が多すぎて書きたいことが定まらないので、ブログ名は捨てました

バイクのエンジンが焼き付いた。

わたしは16歳のとき原付の免許を取得して、今もなおバイクに乗り続けています。

気づけばライダー歴24年。

そんなわたしが20年乗り続けているバイクが、ヤマハのRZ250です。

元々、このバイクに憧れ、免許を取得したと言っても過言ではありません。

しかし、1981年の古いバイクの為、故障が絶えません。

エンジンはすでに4回ほどO/H。

最近だと、2019年に焼き付いてO/Hしたばかりでした。

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ところが、2021年次男が誕生した翌日、病院に向かう途中で破裂音。

エンジンが急停止。見事に焼き付きました。

それでも、エンジンは掛かったので、かろうじて走行して帰ることはできました。

無事に次男が誕生した身代わりに愛車が逝ったと思いました。

もはや売ってしまうか、直すか、とても迷いましたが、ヘソクリをフル活用して直すことにしました。

2019年はエンジン、フルオーバーホールしてもらいましたが、今回は焼き付いた腰上(シリンダー)だけです。

 

 

 

 

ここからは専門的なお話になるので、興味のある方だけご覧下さい。

 

そもそも焼き付くとは? 

・内燃機関において、シリンダー又はピストンに傷が入る現象。

・軸受、プレス金型、切削工具、ねじが摩擦熱で過熱し、材質表面が変質(焼き戻し、焼入れ、焼きなましなど)した状態、あるいは摩耗・溶解してしまう状態をいう。

とあります。

金属は熱伝導しやすく、摩擦で高温になります。

車やバイクに限らず、機械はこれを防ぐ為にオイルを循環させる訳です。

オイル切れなど、循環がうまく行かない時に、金属が高温になりすぎ、溶けて、変形や傷を付けてしまう事を「焼付き」と言うのです。

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愛車は、この焼付きでピストンとシリンダーに傷が入りました。

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焼き付いたらシリンダーをボーリング

バイクのシリンダーが焼付いた場合、シリンダーの傷が消えるまでボーリングしてシリンダーの内径を大きくする事で修理が可能です。

ボーリングと言うのは機械加工になりますので、手作業では絶対にできません。

私自身、若い頃に機械加工をやっていたました。

シリンダーではありませんがボーリングの経験は何度もあります。

バカ穴ではなく、精密な穴を空けたいときにボーリング加工を行います。

 

ボーリングでシリンダーの内径が大きくなると、ピストンも大きくしないといけません。

当然、、オーバーサイズのピストンも販売しています。

これを何度か繰り返すと、シリンダーに打ち込んであるスリーブの肉が無くなってしまいます。

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肉が無くなると、ボーリングはできません。

本来はこの段階でシリンダーもお役目御免です。

今回の焼付きは、自分だけでも最低でも3回はボーリングしていて、スリーブの肉が限界に近いです。もはやこのシリンダーは使えない。

どうしましょう。

 

しかし、このシリンダーを復活させる技術が日本にはあります。

 

 

 

 

スリーブの打ち替え 

古いバイクは、部品を手に入れるのも困難で値段も高価です。

今回のRZのシリンダーも350ccなので、中古でも高価です。

kawasakiの名車、Z1とZ2は2020年にメーカーがシリンダーの再販をしました。

YAMAHAも同じ事をしてくれれば良いのですが、現状はなしです。

そんな、旧車乗りのために、シリンダーのスリーブを制作し、打ち替えてくれる内燃加工屋さんがあります。

 

しかし、2サイクルエンジンのスリーブは穴が空いていて、シリンダー側の穴と合わせるのが、とてもむずかしいそうです。

日本でこの技術を持っている内燃加工屋さんは数えるほどです。

思い切って、数えるほどしかない加工屋さんに、打ち替えを依頼する事にしました。

埼玉県にある井上ボーリングさんです。

 

 

 

井上ボーリング

この度、依頼したのは雑誌やメディアなどでもバンバン紹介されていて、業界では超有名な井上ボーリングさんです。

www.ibg.co.jp

 

HPにはこのように書かれています。

『エンジンが楕円に減るものだから、内燃機屋(ボーリング屋)がシリンダー内径をもう一度丸く削りなおして、オーバーサイズピストンを入れられるように修理する。これが内燃機屋の仕事です。これは67年前のiB創業時からなにも変わっていない、ボーリング屋にとっての本分です。

ところが、ICBM® は「減らない」シリンダー仕上げです。もちろん減らないと言っても物理的にはまったく減らないわけではありませんが、事実上エンジンの寿命を遥かに超える耐久性を持つ内径仕上げがICBM® アルミメッキ化スリーブなんです。』

 

旧車はシリンダー本体が「アルミ」スリーブは「鋳鉄」で造られている事が多いです。材質が違うと、どうしても隙間ができたり回ってしまいます。

このスリーブをアルミで製作しメッキ加工(ICBM)をするのが井上ボーリングさん独自の技術になります。

 

この先、乗り続けるならば、できるだけ焼き付いてほしくない。

子供が大きくなったら金銭的に修理する余裕がない。

そう思い、ヘソクリ使い果たして、ICBMを依頼する事にしました。

 

次回は発注の仕方と、手元に届き復活するまでをお伝えします。