前回に引き続きバイクのメンテナンスです
ウインカーリレーの交換をしました
今回は、普段交換する事がない部品を交換しました
バイクをギアチェンジする時に、左ステップから、エンジンまでの動力を伝えるチェンジロッド(正式名称が分からない)
細い棒ですね
昨年、静岡県から京都府を目指し高速を走行中に突然外れました
つまり、6速のまま、ギアチェンジができなくなったのです
SAへ寄り、ロッドの先を見てみると、ネジ山が無くなっています
助かったのは、ネジ山が半分以上生きていたので、締めることができ、無事に帰宅できました
とは言え、このまま誤魔化して走るのは怖いですよね
ただ、ステップは純正品ではなくバックステップになっているため、純正と比べるとエンジンからステップまでが長い
何の車種のステップかも分からないので、この部品だけ手に入れるのは不可能です
ステップを丸ごと交換するのも良いですが、両側となると意外に高価なんですよね
何とかならないか?
両側雄ネジなんですが、厄介な事に片方が逆ネジになっています
通常のネジは右回しですが、左回しを逆ネジと言います
この程度のロッドならDIYで作れそうですが、ホームセンターを物色しても丸棒や正ネジのダイスは売っていました
しかし、逆ネジのダイスがないのです
もしかしたら取り寄せはできるかもしれません
ですが、この為だけに購入するのも勿体ないです
ミスミで注文
今回も、馴染みのバイク屋さんに相談した所、「ミスミに頼んでみたら?」
と言われました
欧米出身の「スミス氏」ではありません「ミスミ」です
ミスミとは機械工具、鋼材などを販売するメーカー
わたしも前職の時、随分お世話になりました
ミスミの切削工具はリーズナブルなお値段なのです
鋼材は指定寸法で機械加工までやってくれて便利でした
そのバイク屋さん言わく「ミスミは個人でも発注できる」と言う事でした
さっそくHPを開きましたが、登録しないと商品をみれません
迷わず、登録し、ロッドを探してみました
バイク屋さんのアドバイスで「回転軸」で検索をかけると良い、と言われました
両端雄ネジタイプをクリックするとこの様な画面になります⇩
この様な図面が出てきます
寸法の所に、アルファベットが当ててありますので、必要な数字を打込んでいくだけです
私がやっていた「機械加工」と言う仕事は、この様な図面を見て、図面の指示通りに工作機械を使い、物を作る仕事でした
こんな図面など見慣れた物で、寸法を測って打ち込むなど朝飯前です
余裕ぶっこいて、ロッドが届くのを待っていました
しかし…届いた品を見て仰天!
長すぎました
使えません
寸法打ち間違いで2000円ほど無駄にしました
勉強代だと思い、諦めます(泣)
すぐに頼み直し、4日後に届きました
この「MiSUMi」のロゴが懐かしい
比べて見ましょう
上が「MiSUMi」、下が元々車体に付いていたロッドです
今回注文したロッドの材質は鉄(S45C)にしました
ネジがM6で、片方が正ネジ、片方は逆ネジです
元のロッドはアルミの中でも剛性の強いジュラルミンだと思われます
外径も元は5 Φで今回、注文のロッドの外径が8Φです
ミスミの回転軸で6Φ以下の丸棒にM6のネジ指定はできませんでした
旋盤をやった事がある人は分かると思いますが、長物で先端だけを太く加工するのは難しいし手間が掛かります
干渉しなければ、外径はそこまで重要ではありませんので8Φでも問題ありません
実際に取り付けてみました


左側がミスミ製です
見た目では、ほとんど分かりません
しかし、アルミより鉄の方が重く錆やすい
表面に黒染めの様な加工をしてくれていますが、気休め程度でしょう
ミスミって凄い
鉄で注文した、回転軸のお値段ですが約1400円です
ちなみにNC旋盤で、10分前後の仕事だと思います
寸法や形状を指定できて、ワンオフでこの金額は安いでしょう
量産ではなく、単品物だと毎回プログラムを変更する必要があるので意外と面倒です
今回注文してみて凄いと思ったのが、オプションの豊富さです
まず、材質が選べます
チェンジロッドはS45Cで頼みましたが、強度が必要な場合は、SKやSCMで、焼入れまでやってくれます
錆が気になる場合はSUS(ステンレス)にすれば良いのです
ネジの逆ネジ指定や、キー溝加工まで指定できます
値段はその分あがりますが
そう考えると、バイク部品に限らず、車や家などのちょっとした部品なら比較的安価でできますね
同じようなメーカーで、「モノタロウ」があります
こちらも回転軸はありました
しかしここまで細かく指定できるのか確認していません
と言う事で、いかがでしょう?
元機械加工屋から見ても、とても便利だと思いました
ぜひ、皆さんも何か部品を注文してみて下さい
しないかっ!